打ち粉の意味とは?麺やパン作りで使う理由と使い方のコツを解説
麺やパン、菓子類などのレシピの多くには「打ち粉」の記載があります。生地に粉をまぶすイメージはありますが、打ち粉をする意味や、詳しいやり方が分からないという人は多いのではないでしょうか。そこで本記事では、打ち粉の意味や種類を解説します。また、打ち粉をする際のコツや注意点も紹介するので、麺作りをする際はぜひ参考にしてください。
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打ち粉とは
打ち粉とは、麺やパン、菓子類の生地を伸ばす際に、作業台やめん棒にまぶす粉のことで、手粉とも呼ばれます。また、天ぷらなど揚げ物を調理する際にカラッと仕上げたり、素材と衣をつないだりする目的で粉を付けることも「打ち粉する」と言います。
打ち粉をする意味
打ち粉をする意味は、以下の3つが挙げられます。
- 生地をくっ付きにくくするため
- 衣と素材のつなぎにするため
- 食感を良くするため
生地をくっ付きにくくするため
麺やパン、菓子類を作る際に使う打ち粉は、手や調理器具に生地がくっつかないようにする役割があります。打ち粉をしない状態では、生地があちこちにくっついてしまい、作業性が低下します。また、生地が減ってしまうため、粘度が高い生地を扱う際は、打ち粉が欠かせません。
衣と素材のつなぎにするため
揚げ物を作る際に使われる打ち粉の役割の1つが、衣と素材をつなぐことです。素材に衣を付ける前に、粉をふるっておくことで卵液やバッター液が馴染みやすくなります。すると、油で揚げた際に衣が剥がれにくくなり、きれいに仕上げられます。
食感を良くするため
揚げ物に使われる打ち粉には、食感を良くする効果もあります。素材からにじみ出る水分を打ち粉が吸着してくれるため、揚げた際に衣がベチャッとせず、サクサクに仕上がります。特に魚介類は水分が多く含まれるため、打ち粉が必要です。
打ち粉の種類
打ち粉に使われる主な粉は、以下の5つがあります。
- 強力粉
- 薄力粉
- 片栗粉
- そば粉
- コーンスターチ
それぞれ使用シーンが異なるため、打ち粉を使う際は、事前に最適な粉を選ぶことが大切です。
強力粉
強力粉は、小麦粉の中でも最も粒子が粗く、サラサラした手触りが特徴です。水分を吸湿しにくいため、柔らかい生地に打ち粉として振りかけることで、ベタつきを抑えてくれます。
薄力粉
粒子が細かく生地に馴染みやすい薄力粉は、基本的には打ち粉に適していません。しかし、餃子の皮など薄い小麦粉生地を扱う場合は、強力粉よりも柔らかく仕上げられるのでおすすめです。
片栗粉
うどんやパスタは生地のほとんどが小麦粉であり、小麦粉を打ち粉にすると生地に馴染んでしまい、役割を果たしません。そのため、麺類を打つ際の打ち粉にはでんぷん質が小麦粉より多い片栗粉が使われます。
そば粉
そば生地の打ち粉には、同じくそばの実を挽いて作られたそば粉が使われます。打ち粉に使われるそば粉は、挽き始めに作られる、粒子が粗く粘度が低い「花粉」と呼ばれるものです。
コーンスターチ
コーンスターチとは、トウモロコシから作られたでんぷん粉のことです。耐熱性に優れており、温かい生地にも使えるため、餅生地の打ち粉に最適です。
打ち粉をする際のコツ・注意点
打ち粉を使う際は、以下3つのポイントに注意しましょう。
- 生地の状態に合わせて量を調整する
- 均等にまぶす
- 打ち粉が残らないようにする
生地の状態に合わせて量を調整する
打ち粉の役割は、生地のベタつきを抑えて手や調理器具につかないようにすることです。生地があまり手につかないようであれば、少量の打ち粉でも十分です。打ち粉が多すぎると、生地が粉っぽくなってしまうため、生地の状態に合わせて量を調整しましょう。
均等にまぶす
打ち粉をする際は、振った後に手で薄く広げたり、茶こしなどで振りかけたりして、できるだけ均等にまぶしましょう。一部に偏ってかけてしまうと、仕上がりにもばらつきが出てしまいます。
打ち粉が残らないようにする
生地に打ち粉が残っていると、生地同士がくっつかなくなるため、成型しにくくなります。生地を練った後は、軽く手ではたいたり、刷毛を使ったりして余分な打ち粉を取り除きましょう。
打ち粉を活用して美味しい料理を作ろう
打ち粉は、生地のベタつきを抑えて、作業性を向上させる役割があります。揚げ物の場合は、生地と素材を馴染ませて衣の剥がれを防ぐ他、余分な水分を吸着してサックリした食感に仕上げてくれます。打ち粉を使う際は、料理に合わせて粉の種類を使い分けることがポイントです。打ち粉を活用して、料理の幅を広げましょう。